不妊症と不育症の違いとは?妊活中に知っておきたい基本知識
「妊活しているけど、なかなか妊娠しない…」
「不妊症と不育症って何が違うの?」
妊娠に関する悩みを抱えている方は、言葉の違いに戸惑うこともあります。不妊症と不育症は似たような悩みを抱える状態ですが、意味や原因、対応方法は異なります。この記事では、それぞれの違いを分かりやすく解説し、妊活中に知っておきたいポイントをまとめました。
1. 不妊症とは?
不妊症とは、避妊せずに定期的な性交を続けても妊娠に至らない状態を指します。妊娠そのものが成立しない状態です。
定義
-
1年間妊娠しない場合は不妊症とされる(35歳以上は半年)
-
原発不妊:これまで一度も妊娠したことがない
-
続発不妊:過去に妊娠経験はあるが、その後妊娠できない
原因
不妊症は女性・男性どちらにも原因があることがあります。
-
女性側の原因
-
排卵障害(生理不順、卵巣機能低下など)
-
卵管閉塞や子宮奇形
-
子宮内膜症やホルモン異常
-
-
男性側の原因
-
精子の数・運動率・形態の異常
-
精索静脈瘤やホルモン異常
-
-
共通の要因
-
年齢、生活習慣、ストレスなど
-
不妊症の治療は、タイミング法、人工授精(AIH)、体外受精(IVF)などが一般的です。
2. 不育症とは?
不育症とは、妊娠は成立するが、流産や早期出産を繰り返す状態を指します。つまり、妊娠する力はあるのに出産に至らない状態です。
定義
-
2回以上連続で妊娠が継続できない場合に不育症と診断されることが多い
-
妊娠は成立しても、胎児が育たず流産や早産に至る
原因
不育症の原因は複雑で、多くの場合は女性側に関連していますが、男性側も影響することがあります。
-
子宮や内膜の問題
-
子宮奇形、子宮筋腫、子宮ポリープ
-
子宮内膜の着床障害
-
-
ホルモン異常
-
黄体機能不全
-
ホルモンバランスの乱れ
-
-
免疫学的要因
-
自己免疫疾患や抗リン脂質抗体症候群
-
-
染色体異常
-
親の染色体異常や胎児側の染色体異常
-
-
感染症や生活習慣の影響
-
感染症、喫煙、飲酒、ストレスなど
-
不育症の治療は、原因に応じた薬物療法、ホルモン補充、生活習慣改善、場合によっては遺伝カウンセリングなどがあります。
3. 不妊症と不育症の違いを整理
| 項目 | 不妊症 | 不育症 |
|---|---|---|
| 妊娠の成立 | 妊娠できない | 妊娠は成立する |
| 主な悩み | 妊娠しない | 流産や早産を繰り返す |
| 原因 | 卵子・精子の質、排卵や精子の異常 | 子宮・内膜の異常、ホルモン、染色体、免疫 |
| 診断 | 妊活期間1年(35歳以上は半年)妊娠なし | 2回以上の流産や早産の繰り返し |
| 治療 | タイミング法、人工授精、体外受精 | 原因別治療(薬物・ホルモン・手術)、生活改善、遺伝カウンセリング |
このように、不妊症は妊娠が成立しない状態、不育症は妊娠はするが継続できない状態と覚えると分かりやすいです。
4. 妊活中に知っておきたいポイント
-
早めの検査と相談
-
35歳以上は半年で不妊症の可能性を考慮
-
流産を繰り返す場合は不育症の専門医に相談
-
-
生活習慣の見直し
-
栄養バランス、適度な運動、十分な睡眠
-
喫煙・過度な飲酒は妊娠力低下のリスク
-
-
医師とのコミュニケーション
-
不妊症・不育症ともに原因が多岐にわたる
-
自分の症状や希望を正確に伝えることが大切
-
-
パートナーとの協力
-
男性側の原因も多いため、精液検査や生活習慣改善も重要
-
精神的なサポートも妊活成功に影響
-
まとめ
-
不妊症:妊娠が成立しない状態
-
不育症:妊娠は成立するが、出産まで至らない状態
-
原因や治療方法は異なるため、自分の状態に応じた専門医の相談が重要
-
妊活は早めの検査と生活習慣改善、パートナーとの協力が成功の鍵
不妊症と不育症の違いを理解することで、妊活の方向性や医師への相談内容が明確になります。焦らず、自分たちの状況に合った方法で安心して妊活を進めましょう。