【図解あり】インボイス制度で「内税」の請求書はどう書く?迷わない書き方を徹底解説
「インボイス制度が始まってから、内税で請求書を書くのが難しくなった…」
「税込金額しか書いていない請求書はダメなの?」
インボイス制度が始まってから、請求書の書き方で悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
特に「内税」(税込)で請求書を作成する場合、これまでの書き方では不十分になる可能性があります。
この記事では、インボイス制度に対応した**「内税」の請求書の書き方**を、初心者の方でもわかるように図解でやさしく解説します。
この記事を読めば、あなたの請求書が適格請求書として認められ、取引先に迷惑をかける心配もなくなりますよ!
インボイス制度で内税請求書に何が変わった?
インボイス制度導入後、請求書に記載すべき項目が細かく定められました。
その中で特に重要なのが、**「消費税額」**の記載方法です。
以前は、税込の合計金額と「消費税は内税です」という一文だけでも問題ありませんでした。
しかし、インボイス制度では、**「適用税率ごとの消費税額」**を明確に記載する必要があります。
つまり、単に「合計金額:11,000円(税込)」と書くだけでは不十分で、「消費税額:1,000円」という情報も必要になったのです。
【図解】インボイス対応「内税」請求書の書き方
では、具体的な請求書の書き方を見ていきましょう。
インボイス制度では、**「税率ごとに区分して記載する」**というルールがあります。
そのため、消費税10%と8%(軽減税率)が混在している場合は、それぞれ分けて記載する必要があります。
今回は、最も一般的な10%の内税請求書を例に解説します。
1. 合計金額の下に消費税額を明記する
最もシンプルでわかりやすい書き方です。
合計金額を記載した後に、**「税率ごとの合計金額」と「消費税額」**をそれぞれ記載します。
例:合計金額が110,000円(税込)の場合
<NGな書き方>
合計金額:110,000円(税込)
<OKな書き方>
合計金額:110,000円(税込)
税抜合計:100,000円
消費税額(10%):10,000円
このように、消費税額を明記することで、インボイスの要件を満たすことができます。
2. 品目ごとに税抜単価と消費税額を記載する
少し手間はかかりますが、より丁寧で分かりやすい書き方です。
特に品目が多い請求書や、軽減税率が混在する請求書に向いています。
例:品目A(税込11,000円)、品目B(税込55,000円)の場合
品名 | 数量 | 単位 | 単価(税込) | 金額(税込) |
品目A | 1 | 式 | 11,000 | 11,000 |
品目B | 1 | 式 | 55,000 | 55,000 |
小計(10%) | 66,000 | |||
合計金額 | 66,000円 | |||
消費税額(10%) | 6,000円 |
このように、品目ごとに税抜単価を記載する欄を作り、最後に消費税額を記載する方法もあります。
【重要】端数処理のルール
インボイス制度では、**「1つの請求書につき、税率ごとに1回」**というルールで端数処理を行う必要があります。
これは、品目ごとに端数処理をしてはいけない、ということです。
例えば、内税合計金額から消費税額を計算する場合、10%と8%の品目が混在している請求書では、以下のようになります。
<NGな例>
品目A(10%):3,050円 → 消費税277円(端数処理)
品目B(8%):2,100円 → 消費税155円(端数処理)
→合計消費税額:432円
<OKな例>
品目A(税抜):2,773円
品目B(税抜):1,944円
→10%の合計:2,773円 × 10% = 277.3円 → 277円(端数処理)
→8%の合計:1,944円 × 8% = 155.52円 → 156円(端数処理)
→合計消費税額:277円 + 156円 = 433円
このように、税率ごとの合計金額に対して、まとめて1回だけ端数処理を行うのが正しいルールです。
請求書テンプレートの活用がおすすめ
「自分で手書きするのは難しそう…」と感じた方は、インボイス対応の請求書テンプレートを利用するのがおすすめです。
ExcelやGoogleスプレッドシートで提供されている無料テンプレートや、会計ソフト、請求書発行サービスなどを活用すれば、自動で消費税額が計算され、インボイスの要件を満たした請求書を簡単に作成できます。
まとめ:内税請求書は「消費税額」を明記すればOK!
インボイス制度における「内税」の請求書は、これまでの書き方と少し変わりますが、難しいことはありません。
「税率ごとの合計金額」と「消費税額」を明記する
端数処理は税率ごとに1回のみ
テンプレートや会計ソフトを活用すれば簡単
これらのポイントを押さえておけば、インボイス制度に対応した内税の請求書をスムーズに作成できます。
安心して取引先とのやり取りを進めていきましょう。