妊娠初診で「不妊治療中に妊娠した」と伝えるときのポイント|正しい伝え方と注意点


妊娠検査薬で陽性反応が出て、いざ産婦人科を受診しようと思ったとき、
「不妊治療をしていたけれど、どう説明すればいいの?」と迷う方は少なくありません。

不妊治療を経て妊娠した場合、初診での伝え方によって診察内容や検査の進め方が変わることがあります。
この記事では、妊娠初診時に「不妊治療中に妊娠した」と伝える際のポイントや注意点を、医療的・心理的な側面からやさしく解説します。


■ なぜ「不妊治療中に妊娠した」と伝える必要があるのか

不妊治療を受けていた場合、

  • 排卵誘発剤やホルモン注射を使用していた

  • 人工授精(AIH)や体外受精(IVF)を行っていた
    など、通常の自然妊娠とは異なる経過をたどっていることが多いです。

医師がその情報を知らないと、

  • 妊娠週数の計算を誤る

  • 薬の影響や多胎妊娠のリスクを見落とす

  • 不要な検査や薬の処方をしてしまう
    といったリスクが生じるおそれがあります。

✅ 不妊治療歴を正確に伝えることで、妊娠経過を安全に管理できるようになります。


■ 初診時の伝え方の基本フレーズ

妊娠初診で受付や医師に伝えるときは、難しく考える必要はありません。
以下のようなシンプルな言い方で大丈夫です。

🗣 受付での伝え方

「不妊治療を受けていて、今回陽性反応が出たので診てほしいです。」
「体外受精で妊娠しました。初診の予約をお願いしたいです。」

🩺 医師に伝えるとき

「○○クリニックでタイミング療法(または人工授精・体外受精)をしていました。」
「排卵誘発剤(クロミッドなど)を使用していました。」
「採卵日(または移植日)は○月○日です。」

これだけでも、医師は妊娠週数や検査の方針を正確に立てやすくなります。


■ 不妊治療の種類別・伝えるべきポイント

不妊治療の種類 医師に伝えると良い内容
タイミング療法 排卵日予測法・薬の使用の有無
人工授精(AIH) 実施日・使用した薬剤・治療回数
体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI) 採卵日・胚移植日・凍結/新鮮胚の区別
排卵誘発・ホルモン治療 使用した薬の名前(クロミッド、HCG注射など)

📘 特に体外受精・顕微授精では「胚移植日」が重要。
この日を基準に妊娠週数を計算するため、メモしておくとスムーズです。


■ 「言いにくい」と感じるときの工夫

不妊治療というデリケートな話題を、初めての病院で話すのは勇気がいります。
しかし、医療現場では珍しいことではなく、むしろ正確な情報提供は医師にとってありがたいことです。

もし口頭で伝えにくい場合は、以下の方法もおすすめです。

  • 受付票や問診票に「不妊治療をしていました」と一言記入

  • 通っていたクリニックの紹介状や検査結果を持参

  • スマホのメモやカレンダーに治療日をまとめて提示

💡 紹介状がなくても問題ありませんが、持っていくと初診からスムーズに診てもらえます。


■ 不妊治療中に妊娠した場合の注意点

  1. 多胎妊娠の可能性に注意
     排卵誘発剤使用後の妊娠では、双子や三つ子の確率が自然妊娠より高くなります。

  2. ホルモン補充の継続が必要な場合も
     体外受精後の妊娠では、黄体ホルモン(ルテウムなど)を一定期間続けるケースがあります。

  3. 治療薬や注射の影響を必ず確認
     妊娠に気づいた時点で服薬や注射を続けていた場合、必ず医師に伝えましょう。

  4. 流産リスクへの配慮
     治療後初期はホルモンバランスが不安定なため、安静と早期受診が大切です。


■ まとめ:不妊治療歴は“恥ずかしい”ことではなく大切な医療情報

妊娠初診で「不妊治療中に妊娠した」と伝えることは、
医師があなたの体の状態を正確に把握し、安全に妊娠を継続するための重要なステップです。

💬 伝え方のポイント

  • 受付・問診票で「不妊治療あり」と簡潔に伝える

  • 使用薬・治療日・移植日などをできる範囲でメモ

  • 医師には正確な治療内容を共有する

不妊治療を経て授かった妊娠は、決して特別なケースではありません。
むしろ、医師にしっかり伝えることで、あなたと赤ちゃんの安全を守ることにつながります。
安心して妊娠初診を迎えるために、どうか自信を持って伝えてください。