産婦人科初診に「なんて言う?」親(母親)と行く場合の注意点
「妊娠したかも」という初めての産婦人科受診は、心細さや不安から、実の母親(親)に付き添いを頼むケースも多くあります。夫(パートナー)とは違う、経験者としての安心感や心強さが得られるのが最大のメリットです。
しかし、親に付き添ってもらう場合は、診察をスムーズに進め、トラブルを避けるためにいくつかの配慮が必要です。
1. 妊娠初診に親(母親)と行くメリット
長年の育児経験を持つ親が付き添うことには、大きなメリットがあります。
① 心強い経験者がそばにいる安心感
母親は、あなたが経験している妊娠初期の不安や体の変化を最もよく理解してくれます。つわりなどで体調が優れないときや、初めての診察で緊張しているときに、そばにいるだけで精神的な支えになります。
② 過去の病歴や遺伝的な情報を補足できる
初診では、あなたの幼少期の病歴や、**家族の既往歴(糖尿病、高血圧、遺伝的な疾患など)**を尋ねられることがあります。緊張していると、正確な情報を思い出せない場合がありますが、親が同席していれば、重要な情報を正確に補足して伝えられます。
③ 医師の説明を客観的に記録・把握できる
親はすでに一度、妊娠・出産を経験しているため、医師の説明(今後のスケジュールや注意点など)を冷静かつ客観的に聞くことができます。重要な情報をメモに取り、後からあなたに丁寧に伝えてくれるでしょう。
2. 妊娠初診に親と行く場合の注意点とデメリット
夫の付き添い以上に、親の付き添いは「主役のすり替わり」や「プライバシー」に関する注意が必要です。
① 「主役はあなた」であることを再確認する
最大の注意点は、親が**「自分の妊娠・出産の話」や「昔の常識」**を話し始めたり、あなたの意思を無視して質問したりすることです。
対策: 診察前に親と「あくまでも私はサポート役で、決定権はあなたにある」ということを確認し合いましょう。診察室で親が話しすぎそうになったら、「お母さん、ありがとう。でも、まずは先生に直接聞いてみますね」と優しく制止する勇気を持ちましょう。
② 診察や内診のプライバシーを尊重する
内診時に親が同席することはまれです。もしあなたが内診に不安がある場合でも、親がいることで恥ずかしさや抵抗が増す可能性もあります。
対策: 内診時は親に待合室で待っていてもらうように依頼し、診察(エコー確認)や説明時のみ同席してもらうなど、立ち入りの範囲を事前に決めておきましょう。
③ 待合室でのマナーに注意が必要
産婦人科の待合室には、妊婦さんだけでなく、不妊治療中の方、婦人科の病気で悩む方もいます。親は悪気なくとも、大きな声で話したり、待合室の席を占領したりしないよう、事前にマナーを伝えておきましょう。
特に注意:待合室で「あの人はまだお腹が小さい」「私はこの時期、もっと大変だった」など、他の患者さんと比較するような発言は厳禁です。
④ 病院によっては付き添い制限がある
夫と同様に、感染症対策や院内混雑のために付き添い自体を断っている病院もあります。予約時に必ず「母親の付き添いは可能か」を確認し、病院のルールを遵守しましょう。
3. 親と受診する際の「なんて言う?」最終確認ポイント
親に付き添いを頼む際、事前にこの3点を明確にしておくと、初診がスムーズに進みます。
「付き添いの目的はメモと体調サポートだよ。先生への質問は、私がメインでするね」と親に伝える。
「内診**(経腟エコー)**の時は、待合室で待っててほしい」とお願いする。
「私の体のことなので、先生から尋ねられない限り、余計な情報は話さないで」とプライバシーの線引きを伝えておく。
経験者のサポートは非常に心強いものですが、あくまで主人公はあなた自身です。親の力を借りつつ、主体的に診察に臨みましょう。