「まさか自分が…」振込先詐欺の恐怖:銀行口座の不正変更から身を守る方法
「取引先から届いたメールの指示通りに振り込んだのに、なぜかお金が届いていない…?」
「いつもやり取りしているはずの担当者から、急に振込先が変わったと連絡が来た…」
近年、巧妙な手口で企業や個人を狙う**「振込先詐欺(振込先口座の不正変更詐欺)」**が多発しています。これは、取引先の担当者や社内になりすまし、振込先を詐欺グループの口座に不正に変更させて、お金をだまし取る犯罪です。
「うちは大丈夫だろう」と思っている方も多いかもしれませんが、この詐欺は誰にでも起こりうるものです。今回は、この振込先詐欺の手口と、大切な資産を守るための具体的な対策方法をわかりやすく解説します。
振込先詐欺の主な手口とは?
詐欺師たちは、あなたの隙を狙って以下のような手口で侵入してきます。
手口1:メールを乗っ取る
取引先のパソコンやメールアカウントに不正にアクセスし、メールのやり取りを盗み見ます。そして、請求書を送るタイミングや振込の直前に、**「振込先口座が変更になりました」**という偽のメールを送信します。
【ポイント】
見た目はこれまでのメールと同じように見えますが、よく見るとメールアドレスがわずかに異なっていたり、日本語が不自然だったりすることがあります。
手口2:偽の請求書を送付する
取引先の名前やロゴを悪用し、本物そっくりの偽の請求書を作成します。通常、この請求書には詐欺グループが管理する銀行口座情報が記載されています。
【ポイント】
請求書に記載されている振込先の名義が、会社名ではなく個人名になっている場合は特に注意が必要です。
被害に遭わないための4つの対策
この詐欺を防ぐためには、日頃から少しの注意を払うことが非常に重要です。
対策1:振込先の変更は「電話で確認」を徹底する
これが最もシンプルで効果的な対策です。
「振込先が変更になった」という連絡がメールで届いたら、絶対にメールを信用しない。
相手が指定した電話番号ではなく、事前に知っている担当者の電話番号に直接連絡して、変更の事実を確認しましょう。
相手が「電話は繋がりにくいのでメールで…」などと理由をつけてきたら、詐欺である可能性が高いです。
対策2:メールアドレスをよく確認する
詐欺メールは、本物のアドレスに似せた偽のアドレスから送られてくることがほとんどです。
@以降のドメイン名に、スペルミスがないか、余計な記号が混じっていないかを必ず確認しましょう。
例:「company-a.co.jp」が「company-a.com」になっているなど。
対策3:セキュリティソフトを活用する
ウイルス対策ソフトは、メールに添付された不正なファイルや、偽サイトへの誘導を防ぐのに役立ちます。常に最新の状態にアップデートしておきましょう。
対策4:二重チェック体制を設ける
企業であれば、振込の承認プロセスを複数人で確認するルールを作りましょう。
請求書の内容と振込先の口座情報を、別の担当者がそれぞれチェックする。
振込完了後、相手に「着金確認」の連絡を入れ、認識のズレがないかを確認する。
まとめ:詐欺は「知ること」から防げる
振込先詐欺の手口は年々巧妙化しており、被害に遭わないためには、個人や企業が常に警戒心を持つことが不可欠です。
「メールの指示を鵜呑みにしない」
「電話で事実確認を徹底する」
この2つの基本を徹底するだけで、大切な資産を守れる可能性は格段に高まります。
この情報を、ご家族や職場の同僚と共有し、みんなで詐欺対策を強化していきましょう。