あなたは大丈夫？特殊詐欺の手口が巧妙化している本当の理由と対策
「まさか自分が詐欺に引っかかるなんて…」
特殊詐欺の被害に遭われた方の多くは、そう口にします。年々、その手口は巧妙化し、誰にとっても他人事ではなくなっています。
なぜ、特殊詐欺はこれほどまでに巧妙化しているのでしょうか？今回は、その主な理由と、私たちが知っておくべき対策について、分かりやすく解説します。
特殊詐欺の手口が巧妙化する3つの理由
特殊詐欺グループは、綿密な計画と最新の技術を駆使して、私たちを騙そうとします。その手口が巧妙化している背景には、主に3つの要因が考えられます。
１．組織化と分業化の進展
詐欺グループは、もはや単独犯ではありません。役割が細かく分担された、高度に組織化された集団です。
「架け子（かけこ）」：電話で相手を騙す役割
「受け子（うけこ）」：現金やキャッシュカードを受け取りに行く役割
「出し子（だしこ）」：ATMで現金を引き出す役割
これにより、たとえ末端の実行犯が捕まっても、全体像や指示役までたどり着くのが難しくなっています。これが、詐欺グループが存続できる大きな理由の一つです。
２．社会情勢や心理を巧みに悪用
詐欺グループは、その時々の社会情勢や人々の不安を狙って、より信じやすいストーリーを作り出します。
「定額減税の還付金があります」
「コロナ関連の助成金がもらえます」
こうした公的機関や警察官を名乗ることで、私たちを信じ込ませようとします。また、**「今すぐ手続きしないと間に合わない」**などと緊急性を強調し、冷静な判断をさせないように仕向けるのも常套手段です。
３．テクノロジーを悪用した仕掛け
携帯電話やSNS、フィッシングサイトなど、様々なテクノロジーが悪用されています。
国際電話：電話番号の頭が「＋」から始まる国際電話を利用することで、発信元を特定されにくくしています。
音声合成技術やAI：近年では、肉親や知人の声を真似た音声合成技術やAIを使った詐欺も懸念されています。
こうした技術を悪用することで、より本物らしく見せかけ、私たちを騙そうとします。
【これだけは知っておきたい】特殊詐欺から身を守るための3つの対策
巧妙化する詐欺から、あなたや大切な家族を守るために、次の3つの対策を覚えておきましょう。
１．電話でのお金の話はすべて詐欺と疑う
警察や公的機関が、電話で現金やキャッシュカードを要求することは絶対にありません。「お金」「キャッシュカード」「暗証番号」という言葉が出たら、たとえ相手が誰を名乗っていようと、まずは詐欺を疑いましょう。
２．時間を置いて相談する
「今すぐ振り込んで！」「すぐにキャッシュカードを渡して！」などと言われても、決して焦らないでください。一度電話を切り、家族や警察相談ダイヤル（＃9110）、または信頼できる人に相談する時間を取りましょう。
３．留守番電話を活用する
常に留守番電話に設定しておくのも非常に有効です。本当に用事のある相手ならメッセージを残しますし、詐欺犯は留守番電話が苦手です。相手の用件を確認してから、かけ直す習慣をつけましょう。
まとめ
特殊詐欺は、その手口を常に変化させています。大切なのは、日頃から「自分も狙われる可能性がある」という意識を持つことです。
そして、不審な電話やメールが来た時には、**「電話でお金の話はしない」「一度電話を切って誰かに相談する」**というシンプルな対策を徹底しましょう。