シキミを庭に植えちゃダメ?毒性や縁起が悪いってホント?
お寺や仏壇でよく見かける「シキミ」の木。清らかな印象ですが、「庭に植えてはいけない」なんて話を聞いたことはありませんか?毒があるとか、縁起が悪いとか、様々な噂が飛び交っていますよね。
今回は、シキミを庭に植えることに関する疑問を徹底解説します。毒性や縁起の真実、そして地域による考え方の違いまで、分かりやすくご紹介しますね。これで、シキミについて安心して知識を深められるはずですよ!
シキミを庭に植えてはいけないと言われる理由とは?
シキミを庭に植えるのをためらう声には、主に次の2つの理由が挙げられます。
1. 強い「毒性」があるため
これが、シキミを庭に植えるのを避ける最大の理由かもしれません。シキミは、葉、茎、実、根など、植物全体に「アニサチン」という強い毒成分を含んでいます。
- 誤食の危険性: 特に小さなお子さんやペットがいる家庭では、誤って口にしてしまうリスクがあります。アニサチンは、嘔吐、痙攣、呼吸困難などを引き起こす可能性があり、最悪の場合、命に関わることもあります。
- 見た目が似ている植物との混同: シキミの実は、食べられるアニス(八角)や、香りの良いシキミバナ(トウシキミ)と似ているため、誤食の事故が過去にも報告されています。
2. 「縁起が悪い」という考え方があるため
シキミがお寺や仏壇で使われる習慣から、**「仏事に関連する植物だから、一般家庭の庭にはふさわしくない」「不吉なことが起こる」**といった迷信や考え方が、一部の地域や世代に存在します。
- 仏事での使用: シキミは、お葬式や法事の際に、供花として、またはお焼香の代わりに枝を燃やして香りを立てるために使われてきました。これは、シキミの持つ殺菌・防腐作用や、独特の香りが邪気を払うと信じられてきたためです。
- 「悪しき実」や「死機実」という当て字: シキミには「悪しき実」「死機実」といった漢字が当てられることもあり、これが「縁起が悪い」というイメージを助長している可能性もあります。
地域によって異なる?シキミと庭の関わり
シキミに対する考え方は、地域によって差があるのも特徴です。
- 一部の地域では「植えてはならない」: 特に昔からの言い伝えや習慣を重んじる地域では、「庭には植えない方が良い」という考えが根強く残っていることがあります。
- 仏事以外にも活用される地域も: 殺菌作用や抗菌作用があることから、かつては肉や魚の保存に使われた地域もありました。また、庭木として普通に植えられている地域も存在します。
- 「縁起物」として考える地域も: 邪気を払う力があるとされることから、逆に「魔除け」や「厄除け」の縁起物として庭に植える地域や家庭もあります。
このように、シキミに対する解釈は多様であり、一概に「植えてはいけない」と断言できるものではありません。
シキミを庭に植える際の注意点と対策
もし、あなたがシキミの持つ清らかな雰囲気や、香りに魅力を感じて庭に植えたいと考えるなら、以下の点に十分注意して、安全に栽培しましょう。
- 植える場所を慎重に選ぶ:
- 小さなお子さんやペットの手が届かない場所を選びましょう。
- 食べられる植物の近くには植えないようにし、誤食のリスクを徹底的に排除してください。
- 毒性について家族全員で共有する:
- 家族全員にシキミが毒性を持つ植物であることを伝え、絶対に口にしないよう注意喚起しましょう。
- 特に、実の時期は見た目がかわいらしいため、子供が興味を持たないように注意が必要です。
- 手袋をして手入れをする:
- 剪定などの手入れをする際は、樹液が肌に触れないように手袋を着用しましょう。樹液に触れると、かぶれなどの皮膚トラブルを起こす可能性もあります。
- 作業後は、手や道具をよく洗いましょう。
- 伐採や処分にも注意:
- もし伐採することになった場合も、毒性があるため、燃やしたり土に埋めたりする際は、自治体のルールに従って適切に処理しましょう。
まとめ:知識と対策で、シキミとの付き合い方を考えよう
シキミが「庭に植えてはいけない」と言われるのは、主にその毒性と、仏事に使用されることによる縁起の考え方から来ていることが分かりました。しかし、地域によってその解釈は異なり、一概にNGというわけではありません。
もしシキミを庭に植えたい場合は、その毒性を十分に理解し、お子さんやペットが誤食しないよう、そして自分自身も安全に手入れができるよう、徹底した対策を講じることが何よりも大切です。
シキミの持つ独特の美しさや香りを楽しみたいのであれば、危険性を知った上で、賢く付き合っていく方法を見つけてくださいね。