月経過多で受診する際の「症状を正確に伝える言い方」と準備
婦人科で**月経過多(生理の量が多いこと)**について相談するとき、「どれくらい多いか」を具体的に伝えるのは難しいものです。しかし、医師が正確な診断を下し、適切な治療法を見つけるためには、具体的な情報が非常に重要になります。
恥ずかしがらずに、ご自身の状態を正確に伝えるための準備と、具体的な言い方について解説します。
1. 医師に必ず伝えるべき「最重要情報」
診察をスムーズに進めるために、まずは以下の3つの最重要ポイントを具体的に伝えましょう。
1. 悩んでいる症状をストレートに伝える
言い方:
「以前に比べて生理の量が異常に多くなった気がします。」
「月経過多で日常生活に支障が出ており、相談したいです。」
「レバー状の**大きな血の塊(血の固まり)**が出ることがあり、心配です。」
2. 日常生活で困っていることを具体的に伝える
月経過多の診断基準の一つに、生活の質(QOL)の低下があります。どれだけ困っているかを伝えることが大切です。
言い方:
「夜用ナプキンでも間に合わず、夜中に何度も起きて交換しなければなりません。」
「多い日の日中は1時間〜2時間おきにナプキンを交換しています。」
「仕事中に経血が漏れて洋服を汚してしまうことがあり、外出するのが怖いです。」
「生理中は量が多くて貧血になりやすく、立ちくらみや強い疲労感があります。」
3. 量が多い期間と、いつから始まったかを伝える
「いつから症状が出始めたか」は、病気の進行度を判断する上で重要な情報です。
言い方:
「出血量が急に増えたのは、この半年くらいからです。」
「一番量が多いのは生理が始まって2日目と3日目で、この2日間が特にひどいです。」
「生理が8日以上ダラダラと続きます。」(過長月経の症状も疑われます)
2. 診察前に準備しておくと役立つ「メモ」
診察中に焦って忘れないように、以下の情報を事前にメモしておくと安心です。
1. 自分の月経の記録(直近2〜3周期分)
記録しておくべき情報 | 具体的な伝え方(例) |
周期 | 前回の生理が始まった日と、その前の生理が始まった日。 |
期間 | 生理が何日間続くか。(例:7日間) |
多い日の頻度 | 最も量が多い日は、ナプキン(多い日用・夜用)を何枚使用するか。 |
血の塊 | レバー状の血の塊のサイズと頻度。(例:500円玉大の塊が1日に3〜4回出る) |
2. その他の関連症状
月経過多の原因となる子宮筋腫や子宮内膜症、貧血の有無を調べる手がかりになります。
生理痛の状況: 生理痛は強いか、市販薬で効くか、痛みが続く期間はどれくらいか。
貧血の症状: めまい、立ちくらみ、動悸・息切れ、顔色の悪さなどの自覚症状があるか。
既往歴: 子宮筋腫やチョコレート嚢胞など、過去に婦人科系で指摘された病気があるか。
妊娠の希望: 現在、妊娠を希望しているかどうか。(治療法が変わるため重要)
3. 「基礎体温表」があれば持参する
基礎体温を普段から測っている場合は、必ず持参しましょう。排卵の有無やホルモンバランスの状態を知るための貴重な資料となります。
最後に
「自分の伝えたいことがきちんと伝わるか不安」という場合は、メモを読み上げるのではなく、メモを医師に渡して一読してもらう方法も有効です。勇気を出して相談することで、適切な治療を受けられる道が開けます。我慢せずに、まずは婦人科のドアを叩いてみましょう。