【やさしく解説】債務名義の取り方とは?お金を取り戻すために必要なステップを徹底ガイド!
「借りたお金が返ってこない」「家賃をずっと滞納されている」──そんなとき、ただ請求しても限界がありますよね。
そんなあなたを守ってくれるのが、**債務名義(さいむめいぎ)**という法的な“証明書”のような存在です。
この記事では、債務名義の取り方を中心に、種類や具体的な手続きの流れ、費用や注意点まで、やさしく丁寧に解説していきます。
そもそも債務名義とは?簡単にいうと…
債務名義とは、「この人にお金を支払うべきです」と裁判所などが認めた証拠文書のこと。
これを持っていると、相手の給与や口座を差し押さえることができるようになります。
債務名義があるとできること
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相手の財産に強制執行できる
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返済を拒否されても法的に取り立て可能
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合意だけではなく裁判所のお墨付きがある状態
債務名義の取り方|5つの代表的な方法
債務名義は、以下のような手続きで取得できます。手間や時間、費用はそれぞれ異なりますので、状況に合った方法を選ぶのがポイントです。
1. 裁判(訴訟)で判決をもらう
最も一般的な取得方法です。
相手を被告として訴え、勝訴すれば確定判決として債務名義が得られます。
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難易度:中
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期間:数か月~1年ほど
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特徴:相手が争う姿勢ならこちら
2. 少額訴訟を利用する(60万円以下)
トラブルの金額が比較的小さい場合、簡易な手続きで早く解決できます。
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難易度:低~中
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期間:1か月~2か月程度
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特徴:スピーディーに債務名義が取れる
3. 支払督促(しはらいとくそく)を申立てる
裁判所が相手に「支払ってください」と通知してくれる制度です。相手が異議を出さなければ、そのまま債務名義になります。
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難易度:低
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期間:2週間~1か月程度
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特徴:書面だけで手続き完了。異議が出ると通常訴訟に移行。
4. 公正証書を作成する(強制執行認諾文言付き)
金銭の貸し借りや賃貸借契約などを、公証役場で文書化しておく方法。
「支払いができない場合、強制執行されても異議ありません」と書かれていれば、それが債務名義に。
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難易度:低
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期間:1日~数日
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特徴:契約時点で作成しておくと安心
5. 和解調書・調停調書をもらう
家庭裁判所や簡易裁判所での調停・和解成立時に交付される文書も、債務名義となります。
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難易度:中
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期間:ケースにより異なる
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特徴:話し合いでの解決に強い
債務名義が必要になるのはどんなとき?
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お金を貸したのに返ってこない
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家賃の滞納が長引いている
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売掛金(請求書)を踏み倒された
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契約違反による損害賠償を求めたい
このような場合、ただの「請求書」ではなく、**法的根拠のある文書(債務名義)**がないと強制的に回収できません。
強制執行するには債務名義が必須!
債務名義を持っていると、次のような財産に対して差押えが可能になります:
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銀行口座
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給与
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不動産
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動産(車や機器など)
ただし、取得後すぐに執行できるわけではなく、執行文の付与・送達証明などの手続きも必要になります。
債務名義の有効期限に注意!
取得した債務名義にも時効があります。
一般的には、10年の時効がありますので、それまでに執行の手続きや再請求を行いましょう。
債務名義の取得にかかる費用は?
代表的な例として:
手続きの種類 | 目安の費用 |
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訴訟(簡易) | 数千円~1万円程度(収入印紙代など) |
支払督促 | 数千円(収入印紙・切手) |
公正証書 | 1万~2万円+手数料 |
少額訴訟 | 数千円+送達費用 |
※弁護士に依頼する場合は別途報酬がかかります。
まとめ|債務名義の取り方を理解して、安心の備えを
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債務名義とは、法的に支払い義務を証明する文書
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訴訟・支払督促・公正証書など、複数の方法で取得できる
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強制執行の前提条件となるため、とても重要な手続き
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自分で手続きも可能だが、不安なときは専門家に相談しよう
お金のトラブルを泣き寝入りで終わらせないためにも、債務名義の取り方をしっかり理解しておくことが、リスク回避と安心の第一歩になります。