強制執行の費用が払えないとき、どうする?やさしく解説します
強制執行という言葉を聞くと、「なんだか怖そう…」「裁判とか関係あるのかな?」と不安になる方も多いかもしれません。特に、費用が払えない場合には、「もうどうしようもないのかな…」と感じることもあるでしょう。
この記事では、強制執行にかかる費用の基本と、それが払えない場合の現実的な対処法について、やさしく、わかりやすく解説していきます。
強制執行って何?費用はどれくらいかかるの?
まずはざっくりと、強制執行の基本を押さえておきましょう。
◉ 強制執行とは?
強制執行とは、借金や損害賠償などの支払い義務があるのに応じない人に対して、裁判所を通じて財産や給与を差し押さえる手続きのことです。実施するには、「債務名義(さいむめいぎ)」と呼ばれる公的な証拠書類が必要です。
◉ どんな費用がかかるの?
強制執行を申し立てるときには、以下のような費用が発生します:
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収入印紙代(申立手数料)
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郵便切手代(相手方への通知に必要)
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執行官の手数料(差押えや明け渡しの実行にかかる費用)
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必要に応じて、運送費や保管費、鍵の交換代などの実費
これらの合計は数万円〜十数万円程度になることが一般的です。金額は執行内容や地域によっても変動します。
強制執行を受ける側が「費用が払えない」場合は?
ここがこの記事の一番のポイントです。強制執行にかかる費用を払うのは、**原則として申し立てた側(債権者)**です。つまり、お金を払うよう命じられている側(債務者)は、その費用を基本的には負担しません。
しかし、例外もあります。
◉ 強制執行後に“取り立て費用”として請求されることがある?
はい、債権者は強制執行にかかった費用を、あとから債務者に請求することが可能です。たとえば「債務者が支払いに応じなかったせいで、余計な費用がかかった」として、その分を加算して取り立てるケースがあります。
このような請求を「執行費用の求償」と呼ぶこともあります。
費用が請求されたけど、本当に払えない…どうすればいい?
「費用を払え」と言われても、生活に余裕がない…そんなときの選択肢をいくつか紹介します。
◉ 1. 分割払いの相談をする
すぐに全額を払えない場合でも、分割払いの交渉は可能です。相手方(債権者)も、少しでも回収できる方が良いため、話し合いに応じてくれることもあります。
◉ 2. 法テラスに相談する
「どこにも頼れる人がいない」「法律のことがまったく分からない」というときは、**法テラス(日本司法支援センター)**を活用しましょう。
無料で法律相談ができたり、弁護士費用を立て替えてもらえる制度もあります(収入などの条件あり)。
◉ 3. 自己破産や債務整理を検討する
あらゆる方法を試しても、生活再建が見込めない場合は、自己破産や債務整理も視野に入れましょう。これらは法的に借金を整理する手続きで、一定条件のもとで費用の免除や減額が可能です。
強制執行や費用の請求は、無視していいの?
結論から言うと、無視はNGです。
強制執行を受けているということは、すでに裁判所が「お金を払うべき」と判断している状態。そこからさらに無視を続けると、給与差押えや不動産の競売など、生活に大きな影響が及ぶ可能性があります。
まとめ|費用が払えないと感じたら、早めの相談がカギ
強制執行に関する費用は、基本的に債権者が先に立て替えるものですが、最終的には債務者が請求されることもあります。もしその費用が払えない場合は、
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分割払いの交渉
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法テラスなどの無料相談
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債務整理の検討
といった方法で、一人で抱え込まずに対策をとることが大切です。